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籐を編み込んで作った茨城県の郷土工芸品。
職人が丹念に手編みした曲線が美しく、洋装にも和装にも相性が良いバッグです。
神栖市に工房を構える「ラタンファニチャー堀江」は、籐を編みこんで作るバッグやイス、ベッドなどの伝統工芸品を製造・販売しています。味わい深い自然の風合いと、通気性、安定性で外国でも人気の手作り籐製品。この道70年の大ベテラン職人・堀江正則さんと息子さんが、ひとつひとつ心を込めて丁寧に編み込んでいきます。
使い勝手がよく、女性に人気の籐網代編みバッグをはじめ、両面枕、アームチェア、キャプテンチェア、シングルベッドなどの家具類まで幅広い種類の籐製品を、ふるさと納税の返礼品として全国にお届けしています。デパートでも好評な高品質の手作り籐製品を手に入れることができますよ!
大物は2人がかりで制作します。
使う人の気持ちに寄り添ったこれらの手作り籐製品は、全て「茨城県郷土工芸品」として指定されている名品です。特にバッグは他の籐製品のものと大きく違い、間口が開く工夫がされているので、中身の出し入れがとても便利です。また、籐という素材はとても丈夫なので、長く愛用することができ、むしろ使えば使うほど色に味が出ます。
ラタンファニチャー堀江のこだわりは「自分が買える商品」作りです。完成したものは全て堀江さん自身がなでてみて、引っかかるものがないかどうかチェックして滑らかにします。女性が使うバッグは手を入れる内側の隅々まで気を配らせ、目に見えないところ、全てに心を込めています。
こんなに開くので、使い勝手は上々です。
数々の籐製品は試作の型作りから始まります。どれくらいコストがかかるか、10個くらい作ると発見することが沢山あり、適正な値段になるように調整します。お客さんに損をさせないよう、形だけでなく売価もデザインと考えて、両者が納得のいくより良い製品を作っていきます。新作のアイデアはお客さんとのやりとりから生まれるものが多いそうです。
新製品を試作中。お客さんからの要望など、様々なアイデアで試行錯誤しています。
籐網代編みバッグの場合、籐を編むのに一日、塗装などに半日、計一日半の製作時間がかかります。どんな風に籐のバッグができるのか製造工程を追ってみましょう。
加工する前の籐は中が空洞になっているため、火であぶったり、力を入れると曲がります。
籐は編む前に柔らかくするため、水に浸けます。太いものだと丸一日浸けるそうです。
この籐を使って、バッグの一番大事な底の部分から編んでいきます。
底からの立ち上がりの3cmが特に重要で、ここから側面を編んでいきます。
丸一日かけて籐バッグを編み上げ、ハンドル部分を付けたら完成です。
70年近く籐製品作りに携わる、ラタンファニチャー堀江の代表・堀江正則さんに籐製品作りへの思いについてお話を伺いました。
私の籐製品作りの出発は、昭和25年(1950年)朝鮮動乱の年から。戦争で父が亡くなったため東京のおじの元に兄弟三人で引き取られ、おじがやっていた籐の材料加工の仕事を手伝うようになったのがきっかけです。25才くらいの頃、兄弟三人で籐製品の会社を設立し、平成2年5月から現在の場所で独立しました。この業界で70年近く、古くからの技術を知っていることが私自身の大きな強みで、JETROの指導員をやっていたこともあります。
この仕事をしていて一番嬉しかったことは、兄弟三人で会社をやっていたときに作った籐の応接セットとロッキンチェアが大当たりしたことです。トーネットのイスを雑誌で見て、「これは籐でもやれる」と思って作ったものが大手百貨店数社の目に留まり、その後の会社の発展につながりました。戦後こつこつとやって来たことが花開いた瞬間でもあります。
40年以上前から工房で愛用している椅子。使えば使うほど、いい色に!
私自身、まだまだ生涯現役で卓越した籐製品を作っていきたいと思いますし、今後は業界全体、自他ともに栄えていくことを模索しなければなりません。幸い、近年は若い人たちが昔の物をわかる時代になってきました。終戦の頃から自分がやっていること全てが尊厳につながるという思いで、これからも籐を編み続けていきます。
籐製品を選ぶ際は、自分に合ったもの、用途に合ったものを選ぶのが大事です。籐は湿気と火を嫌いますので、バッグなどの保管の際は一度陰干しした後、防カビ剤、湿気止めを中に入れて、不織布に収めて保存するのがよいです。籐のバッグは、茶色なら秋冬にも使え、黒ならパーティーや結婚式に持って行く人もいます。この先何十年も使えますので、使えば使うほど出る味わいを楽しんでください。
堀江正則(まさのり)さん(左)と息子の堀江正壽(まさとし)さん(右)
【茨城県郷土工芸品指定品】籐網代編みバック