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株式会社鴨安商店

材料・製造方法に一切の妥協なし!世代問わず愛される素朴な美味しさを噛みしめてください

あぶった時の香りに食欲が掻き立てられます。調味液の染み込み具合が全く違う!噛みしめるほどに溢れだす甘さを、じっくりと味わってみてください。さくらぼしとなる魚選びから、調味液まで、全ての過程にこだわった逸品です。

 

その味を守り続けて約100年!余分な味付けは一切していません!

「さくらぼし」とは、広く一般に知られている「みりん干し」のことを指します。実は、「さくらぼし」という名を使い始めたのは、鴨安商店だという逸話も。そんな長い歴史を持つ鴨安商店は、明治15年に創業し、今もなお多くのファンに愛され続けている老舗です。新鮮な魚がたくさん揚がる神栖市波崎は、以前は20以上のみりん干し製造業者が軒を連ねる激戦区だったそうです。それが、今となってはもう5、6軒に減少してしまったのだとか…。「今も生き残り続けている理由は、まさににあります」と製造開発部長の鴨川正治さん。おいしさは魚がいかに調味液を吸収するかで決まります。鴨安商店では、魚を解凍するときに独自の製法を用いることで、魚の身が締まることなくぷっくりと膨れ、調味液をたっぷり吸収してくるそうなのです。そして、使用している調味液にもれっきとしたこだわりが…。調味液はなんと100年近く変わらず!甘さもしょっぱさも昔のままです。味付けは昔から砂糖と塩のみで仕上げています。まずは、是非さくらぼしの香りを楽しんでください。軽くあぶるだけで、食欲をそそる香ばしい香りがいっぱいに広がります。そして口に入れると、ふわっと鼻から風味が抜け、魚の旨味と調味液の抜群の相性に舌鼓。しょっぱさと甘さのバランスが絶妙で、噛めば噛むほどジュワっとコク深い旨味が口いっぱいに広がりますよ!何口食べても飽きが来ないさくらぼし。ご飯のお供にだけでなく、お酒のおつまみにも最高です!

完成一歩手前のさくらぼし。調味液がしっかり染みわたったイワシを、栄養たっぷりのお日様に一日中当てています。乾燥させる時間は天候や気温によって微妙に変化します。細かなチェックが欠かせません。

さくらぼしになるイワシは1年に1、2日しか獲れない!?

さくらぼしに適したイワシは、実は脂が乗っていないガリガリの状態なのです。こうしたイワシが獲れるのは、1年に1、2日しかないのだとか…。一般的に、脂が抜けきらない状態で加工されることが多い中、「まさに今日!」という絶妙なタイミングのイワシしか獲らないのが、鴨安商店の揺るぎないこだわり。選ばれし日に揚がった貴重なイワシは、冷凍庫で最低でも3か月は置き、残りの水分が完全に抜けきるまで、その日をじーっと待ちます。そうすることで、程よく乾燥し、高野豆腐のようになったイワシは、調味液に浸した瞬間ぎゅぎゅぎゅ~っと一気に吸収するのです。めいっぱい時間をかけて、徹底的にイワシの水分を抜くからこそ、味わい深いさくらぼしが出来上がるのですね。

 

通常より小さく痩せたイワシを一日何百と開きます。職人がイワシを開いて並べるスピードは圧巻。おいしいさくらぼしづくりはここからが勝負です。

子どもからお年寄りまで虜にするさくらぼし

2016年には、「茨城おみやげ大賞2016」で最高金賞を受賞したほどの実力派。商品を購入した方からは、「魚嫌いの主人でも一口食べたら唸った」「2歳の子どもがこれがないとダメなんです」といったコメントも届きます。普段みりん干しに馴染みのない人にこそ、是非一度食べていただきたい一品です!

おいしいみりん干しを見分けるポイントは「大きさ」と「背中の皮」にあり!鴨安商店のさくらぼしは、他に比べて「小さい」のが特徴です。脂分がしっかりと抜けていると、魚の身が縮まり小さくなります。そこにおいしさの秘訣があるのだと鴨川さん。そして、魚の皮は「はがれている」方がおいしいのです。これは調味液がみっちりと入り込んでいる証拠だそうですよ。

甘じょっぱい味付けや、魚独特の臭みがしっかりと抜けている点も、幅広い層から支持されるポイント。そんなさくらぼしは、「焼いた後、すぐ食べる」「焼いた後、常温で寝かせて翌日に食べる」のがオススメです。この状態が、魚の身が固くならず、風味も食感も楽しめる絶妙なタイミングです。是非、ふっくらとやわらかい状態で、一口一口じっくりと噛みしめてみてください!

一枚にきれいにイワシが並んでいます。先にほぐしてから食べるのがオススメ。身が柔らかいので、お子様、お年寄りも食べやすい!

「さくらぼし」と命名されるまで…

みりん干しの歴史は長く、大正年代初期に九州地方で、いわしを醤油に漬けて乾燥させた製品が始まりとされています。ちなみに…「さくらぼし」と命名したのは、鴨安商店2代目の鴨川安次郎さんなのだとか。戦後、嗜好品(高級品)として扱われていたみりん干しは、他の干物に比べて輸送料が高く、生産者が遠方に送るのに苦労していたそうです。そうした問題を解決したのが安次郎さん。当時の諸官庁に何度も何度も陳情に行き、商品名を変えることで輸送料が安くなることを知ったことから、「さくらぼし」という名前が誕生しました。その由来は、「魚を開いた状態が桜の花びらに似ているから」「桜の咲く春先から生産が始まるから」など、いくつかエピソードがあります。いまや業界で知らない人はいない「さくらぼし」のルーツは、鴨安商店にあったのですね。

商品袋のマークも桜の形をしています。一枚に16尾ものイワシが並べられており、一尾一尾に染み渡ったおいしさがギュッと詰まっています。

 時間と手間のかけ方は我が子と同じです

 100年以上お店の看板を守り続けてきた鴨安商店。ここまでさくらぼしの知名度が上がり、多くの人に愛される商品になるまでには、そこで働く多くの方の熱意努力がありました。さくらぼしに対する想いを鴨川さんに伺いました。

―他の生産者が次々に減っていく中、鴨安商店を守り続けていくのは大変だったのでは?

私が生まれ変わったら、次は絶対に同じ仕事はしません(笑)。それほど大変な仕事なんです。安定して生産し続けることは本当に厳しいこと。その年によって、うちが使える魚の漁獲量も変わりますしね。さくらぼしの製造に関しては、イワシを調味液に浸したらそれで終わり、というわけにはいきません。毎朝出社して、夕方まで一通りの業務を終えたら一旦自宅に帰りますが、また夜にさくらぼしの様子を見に工場に向かいます。そんな毎日を過ごしてると、もう我が子のような感覚になりますね。うちのさくらぼしは手間暇をかけている分、他のみりん干しより値段は高めです。でも、おかげさまで今では値段以上に価値があると認められるようになりました。百貨店などに出品すると「もっと高く値段をつけてもいいんじゃない?」と言われることもあるくらい。こうやって「鴨安商店のさくらぼし」を選んでくれる方々がいるから、これからも作り続けていこうと思えるんですよね。

 

「さくらぼしに対する知識と愛情はどこにも負けません」と製造開発部長の鴨川正治さん。お話から熱意がひしひしと伝わりました。

イワシを開いて並べるのも、全部手作業。ここできれいに並べることが至難の業です。

 

―こうして昔からずっと守り続けてきたさくらぼしの製法を、次世代に受け継ぐのはなかなか大変ですね。

昔の人はイワシをきれいに並べるのが本当に上手でした。ただ、その手で覚えた感覚を次世代に教えることって本当に難しいんです。実は、何年も前に世代交代のタイミングがやってきた時、もうさくらぼしづくりもここで終わりかな、という話も出ていたんです。でも、「やっぱりこうした伝統製法は、後世に残していくべきだ」という声があがり、しっかり次世代に教育して、鴨安商店の伝統を守っていこうと動き始めました。その当時さくらぼしづくりをしていたおばちゃんを呼び戻して、教育係になってもらったりとか。今では、完全に世代交代が行われましたが、製法や技術は昔から何も変わらず。しっかりと次世代が受け継ぎ、鴨安商店の伝統を守っています。

※写真はイメージです。

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